小学生からの英語
小学生から英語を始めるメリットは、
「英語嫌いにならないこと」です。
小学校までは楽しかった英語が、
中学に入ったら嫌いになるパターンも多いですし、
中学入学当初は簡単に100点が取れたのに、
いつのまにかさっぱりわからなくなってしまった、
という生徒も教室にやってきます。
小学生からずっとこの教室で勉強していて「
英語が苦手」という生徒はいません。
定期テストで80点台を取ると、
「今回はすごく悪かった」としょげてやってきます。
それでも「英語は勉強すれば必ずできる」
という自信があるので、
英語ができないと落ち込むのではなく、
「宿題をやらなかった」ことを反省します。
「英語が苦手」という意識が身についてしまうと、
それを取り除くのにはとても長い時間がかかります。
その間にも学習する内容は難しくなっていきます。
また、英会話や歌やゲームで
初歩的な英語を楽しくつかってきた生徒は、
「文法」を毛嫌いする傾向があり、
「日本語で英語を勉強するのは嫌いなんだよね」と
拒否反応を起こす生徒もいます。
英語を母国語とする人々のように、
1日24時間、目や耳から英語のシャワーを浴び、
日本語を覚えたときのように、自分が話す英語を
一つ一つ丁寧に正してもらえる状況で、
圧倒的な量の英語体験ができるならば、
自然に正しい英語を体得することができます。
しかし、多くても1日1時間、
下手をすると週に1回の英語体験で、
年齢相応の通じる英語を身につけることは不可能です。
それを効率的に勉強するために「文法」があるのです。
文法用語を覚えるのが目的ではありませんし、
学んでも実際にその文法を使った英語を
口に出して使わなければ
文法を使いこなせるようにはなりません。
ある程度真剣に英語を勉強した人で、
文法は必要ないという人はあまりいませんが、
英語が苦手な生徒はたいてい抵抗を示します。
講師:「前置詞の後ろは目的格がくるよ、それで…」
生徒:「あ~。俺日本語で英語を勉強するのは嫌いなんだよね」
講師:「じゃあ、前置詞と目的格を全部英語で言え。」
生徒:「え~~!!」
講師:「はい、at, on, to, for, into, after, with …
あ、前置詞と接続詞のforはどうやって違いを説明する?」
大体これで表面上はおとなしくいうことをきくようになります。
文法は「覚えなきゃいけないめんどくさいこと」ではなくて、
「便利な道具」です。
一方、小学生に教える文法は、
ほとんど文法用語は使いません。
不定詞を教えるときも、
「to の後ろにある単語は動きを表す言葉?ものの名前?」
「動きを表す言葉。」
「動きを表す言葉を動詞と呼ぶよ。
後ろに動詞が来た時のtoは、①②③で訳すね。①②③覚えてる?」
「① ~すること、②~するための、③~するために。」
「じゃあそのなかから一つ、一番ぴったりなのを選んでね。」
という風に学びます。
中学生から高校生レベルになると、
①②③は「名詞的用法、形容「詞的用法、副詞的用法」
となりますが、小学生から始めた生徒はこうした文法用語も
「ふーん」とすんなり覚えていきます。
英語が嫌い、英語は難しいとなってしまう前に、
ぜひ後々まで使える英語を学んでいただきたいと思います。